こんにちは。ラクママLIFE、運営者の「ラクママ」です。
大切なご家族やお友達、同僚が試験や受験で「不合格」だったと知った時、どんな言葉をかけるべきか、すごく悩みますよね。
励ましたい気持ちとは裏腹に、「なんて言ったらいいんだろう…」とかける言葉が見つからない…という経験は、私にもあります。
特に大学受験のような人生の大きな節目だったり、毎日遅くまで頑張っている姿を知っている友達へのLINEだったりすると、送る文面にもいつも以上に慎重になると思います。
親として、あるいは恋人として、どう支えるのがベストなのか。
深く落ち込む人を前にして、下手に励ましの言葉をかけるのが怖くなったり、「下手に声をかけるより、いっそそっとしておくべきなのかな?」と迷ったり。
それに、ママ友のお子さんのことだったりすると、普段の関係性があるだけに、さらにデリケートな問題かなと思います。
良かれと思ってかけた言葉が、実は相手を深く傷つけてしまうNGワードだった、なんてことも避けたいですよね。
「こういう時は、こういう風に言うといいよ」という具体的な例文があれば知りたい、と感じている方も多いんじゃないでしょうか。
この記事では、不合格というつらい結果を受け止めている相手に、どのように寄り添えばいいのか、絶対に避けるべき言葉と、関係性別の具体的な声かけの例を、私の視点で詳しくまとめてみました。
- 不合格の相手に絶対言ってはいけないNGワードとその心理的背景
- 相手の心理状態の「段階」に合わせた対応のコツ
- 【親・友達・恋人・ママ友別】すぐに使える具体的な声かけ例文
- LINEやSNSなど、文字で伝える時の注意点
不合格の相手にかける言葉とNG集

大切な人が落ち込んでいると、「何とかしてあげたい」「少しでも元気になってほしい」と、つい「何か言わなきゃ」と焦ってしまいますよね。
でも、良かれと思ったその一言が、実は相手を深く傷つけてしまうことも…。
まずは、絶対に避けるべきNGワードと、言葉をかける以前の基本的な対応の心構えについて、しっかり見ていきましょう。
不合格で言ってはいけないNGワード
一番つらいのは、もちろん本人です。
本人が誰よりも後悔したり、自分を責めたりしている時に、追い打ちをかけるような言葉や、本人の努力を無にするような言葉は絶対にNGですね。
具体的には、以下のような言葉が挙げられます。
<絶対NGな言葉の類型>
- 努力の否定・自己責任の追求:「もっと勉強すればよかったのに」「だから言ったのに」「勉強不足だったんじゃない?」
- 他人との比較:「〇〇ちゃんは受かったんだって」「みんな頑張ってたからね」「〇〇さんはもっと前から準備してたよ」
- 過度な期待の表明:「あなたなら受かると思ってたのに」「がっかりした」「期待してたんだけどな」
- 問題の矮小化(わいしょうか):「たかが受験じゃない」「そんなに落ち込むこと?」「死ぬわけじゃないんだから」
これらの言葉がなぜNGなのか、もう少し深く見ていきます。
努力の否定と自己責任の追求
「もっと早くからやっておけば…」や「だから言ったのに」といった言葉は、本人が一番後悔している点を、わざわざナイフでえぐるようなものです。
本人はすでに「あの時ああしていれば…」と自分を責めています。そこに他人から畳みかけられると、プライドも自信もズタズタになってしまいます。
他人との比較
「〇〇ちゃんは受かった」という情報は、本人が一番聞きたくない情報です。
特に、周りが受かって自分だけが落ちた場合、「自分だけが取り残された」という強烈な孤独感に襲われます。
そこに他者との比較を持ち出すのは、その孤独感をさらに深め、劣等感を刺激するだけです。
過度な期待の表明
「あなたなら受かると思ってたのに」という言葉は、一見すると「あなたの実力を評価していたよ」というメッセージに聞こえるかもしれません。
でも、不合格だった本人にとっては、「期待に応えられなかった」という罪悪感を植え付ける最悪の言葉になります。
不合格のショックに加えて、「周りをがっかりさせた」という二重の苦しみを背負わせることになってしまいます。
問題の矮小化
「受験だけが全てじゃないよ」というのは、長い人生で見れば「正論」かもしれません。
でも、何ヶ月も、何年も、それこそ全てをかけて頑張ってきた本人にとって、その言葉は「自分の努力と苦しみを軽く扱われた」と感じさせてしまいます。
今、本人が聞きたい言葉ではありません。
落ち込む人を傷つける励まし

「励ましたい」という純粋な気持ちから出る言葉でも、タイミングや言葉選びを間違えると、相手を深く傷つける「励ましの刃(やいば)」になってしまいます。
例えば、こんな「正論」系の励ましです。
<傷つける可能性のある「正論」>
- 「この経験が将来きっと役に立つよ」
- 「神様は乗り越えられる試練しか与えないよ」
- 「気持ちわかるよ」
これ、本当に言いたくなる気持ちはすごく分かるんです。
でも、不合格直後でショックを受けている本人にとっては、
- 「役に立つかなんて、今考えられない」
- 「そんな精神論で片付けないでほしい」
- 「あなたに私の気持ちの何がわかるの」
と、強い反発を感じさせてしまう可能性が高いんですね。
本人がいつか自分自身で「あの挫折があったから今がある」と肯定的に意味づけできるようになるまでには、長い時間が必要です。
周りが先にその結論を押し付けるのは、優しさではなく、こちらの不安を解消したいだけの「自分本位な言葉」になってしまうかもしれません。
不合格直後のNG対応
結果を知った直後は、本人はショックと混乱の真っ只中にいます。
頭が真っ白になって、何も考えられない状態かもしれません。このタイミングで、励ましやアドバイスは絶対にNGです。
- 「元気出して!」
- 「次頑張ろう!」
こうした前向きな言葉も、今はプレッシャーになるだけかも。
相手が話したくない素振りを見せたら、無理に聞き出そうとしないことが本当に大切です。
<直後に避けたいNG対応>
- 無理に聞き出そうとする(「どうだったの?」「何がダメだったと思う?」)
- 無理に元気づけようとする(「ご飯行こう!」「パーッと遊ぼう!」)
- すぐに次の話をしようとする(「次はどうするの?」「浪人する?」)
- 安易に同情する(「かわいそうに…」)
「何か言わなきゃ」「何かしてあげなきゃ」というこちらの焦りをぶつけるのではなく、まずは本人が自分の感情を受け止める準備ができるまで、「待つ」こと。
それが一番大事かなと思います。
不合格の相手にかける言葉と心理

不合格という結果は、単なる「失敗」ではなく、心理学的に見ると「合格した未来の自分を失う」という「対象喪失」に近い体験なんだそうです。
大きなストレス(ストレッサー)に直面している状態ですね。(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「ストレス」)
だから、落ち込んでいる人は、こんな心理プロセスをたどることが多いと言われています。
<不合格後の心理プロセス(例)>
- ショック・否認:「信じられない」「何かの間違いだ」 →現実を受け入れられない状態。周りの言葉は耳に入りません。
- 怒り:「試験制度がおかしい」「問題が不公平だ」「環境が悪かった」 →現実を認識し始め、感情が外部(他者や制度)に向かう状態。
- 落ち込み・自己否定:「自分には才能がない」「自分はダメな人間だ」 →感情が内部(自分自身)に向かう状態。最も苦しい時期かもしれません。
- 受容:「落ちたのは事実だ」 →感情が落ち着き、現実を冷静に受け入れ始める転換点。
- 再構築:「次に何をすべきか」「この経験から何を学んだか」 →未来志向で、次の行動を考え始める段階。
相手が今どの段階にいるかによって、かけるべき言葉はまったく変わってきます。
例えば「怒り」の段階にいる人に「あなたの努力が足りなかったんじゃない?(自己否定)」なんて言ったら、火に油を注ぐだけですよね。
「落ち込み」の段階にいる人に「次頑張ろう!(再構築)」と言っても、「そんなエネルギーは残ってない…」と余計に落ち込ませるだけです。
相手の今の感情の段階に寄り添うことが、何より大切なんだと思います。
そっとしておく対応は間違い?
「かける言葉が見つからないなら、下手に声をかけるより、そっとしておくのが一番?」と悩むこともありますよね。これは、半分正解で、半分間違いかなと私は思います。
ここで言う「そっとしておく」が、「放置」や「無視」、「無関心」になってしまうのは絶対にNGです。
本人は「自分は見捨てられたんだ」と、さらに孤独感を深めてしまいます。
でも、本人が自分の気持ちを整理し、事実を受け止めるための「時間と空間」を意図的に提供するという意味での「そっとしておく」は、とても大事なサポートです。
これは「積極的なサポート」の一つなんですね。
理想的な「そっとしておく」対応(一声かけて、見守る)
「今はつらいと思うから、ゆっくり休んでね。話したくなったら、いつでも聞くからね」
このように、「私はあなたの味方だよ」「いつでも待ってるよ」というメッセージを最初に伝えた上で、相手のタイミングを待つのがベストかなと思います。
LINEなら、「(涙を拭うような)労いのスタンプ」+「ゆっくり休んでね。いつでも聞くよ」という短いメッセージを送って、あとは本人から連絡が来るまで待つ、というのも良いですね。
無理に話させるのではなく、相手が話したくなった時に話せる「安全基地」がある、という安心感が、本人が立ち直るための大きな支えになります。
【関係性別】不合格のかける言葉 例文集
ここからは、相手との関係性に合わせた、より具体的な声かけの例を考えてみたいと思います。
親、友達、恋人、ママ友…それぞれ距離感や期待される役割が違いますから、言葉選びも当然変わってきますよね。相手との関係性を踏まえた上で、最適な言葉を探していきましょう。
大学受験で落ちた時の声かけ

大学受験は、本人にとって人生の大きなイベントであり、大きな挫折体験になり得ます。浪人するのか、別の道に進むのか、重大な決断を迫られることもあります。
結果がどうであれ、まずは「結果(不合格)」と「それまでの努力(プロセス)」を切り離して考えてあげることが大事かなと思います。
<大学受験で落ちた時の声かけ例(友人・知人など)>
- 「まずは、受験勉強、本当にお疲れ様」
- 「結果は残念だったけど、〇〇がすごく頑張ってたのは知ってるよ」
- 「今は色々な気持ちがあると思うけど、まずはゆっくり休んでね」
- 「これからどうするか決めたら、また教えて。応援してるよ」
結果を責めるのではなく、まずは数ヶ月、数年にわたる過酷な勉強を頑張り抜いたこと自体を「承認」してあげる言葉が、本人の心を少し軽くするんじゃないでしょうか。
「お疲れ様」という一言が、一番心に響くこともあります。
親から子どもにかける言葉 例文
親としては、子ども以上に動揺したり、将来への不安を感じてしまうかもしれません。
でも、親が感情的になって動揺を見せると、子どもは「不合格になったことで親を失望させた」と、二重の苦しみを背負うことになります。
親の役割は、子どもにとって最後の「安全基地」であること。
どんな結果であろうと、あなたの価値は変わらないし、無条件に受け入れるというメッセージを伝えることが核になります。
<親から子へのかける言葉 例文>
- 「一番悔しいのは〇〇だよね。悔しかったね」 (アドバイスではなく、まずは感情に共感する)
- 「本当によく頑張ったね。まずはゆっくり休んでね」 (結果ではなく、努力のプロセスを認め、休息を促す)
- 「お父さんもお母さんも、いつもあなたの味方だからね」 (無条件の受容を伝え、安心感を与える)
- 「美味しいものでも食べて、今日はゆっくり寝よう」 (具体的な行動で安心させる)
- 「次どうするの?」
- 「これからどうするつもり?」
と未来の話を急かすのは絶対にNGです。
本人が一番悩んでいます。まずは子供が安心して羽を休め、次のエネルギーをチャージできる場所を作ってあげるのが最優先ですね。
(子育て全般の悩みについては、子育ての悩みに関するこちらの記事も参考にしてみてくださいね。)
不合格の友達にかける言葉 LINE例

友達という対等な立場だからこそ、「あなたは一人ではないよ」というメッセージが支えになります。
特にLINEでの報告は、相手の表情が見えない分、言葉選びに悩みますよね。
長文のアドバイスや励ましは、かえって重荷になることも。短くても誠実な返信を心がけたいですね。
<友達へのLINE返信 例文>
▼パターン1(シンプルに寄り添う)
そっか…報告ありがとう。
今はすごく悔しいと思う。無理しないでね。
言いたいことや愚痴があったら、いつでも聞くから連絡してね
▼パターン2(自分も同じ受験生などの立場の場合)
本当に悔しいよね。お疲れ様。
私も次に向けて頑張るから、お互い頑張ろうね!
でも、まずはゆっくり休んで
▼パターン3(少し時間を置いてから)
元気してる?
もしよかったら、今度気分転換にご飯でも行かない?
(もちろん無理はしないでね)
「いつでも聞くよ」と相手のタイミングを尊重する姿勢が大事です。
「頑張って」という言葉が重いこともあるので、相手の状況を見て使うのがいいかなと思います。
励ましのスタンプよりは、そっと寄り添うようなスタンプ(例:頭をなでる、お茶を出す)の方が、気持ちが伝わるかもしれません。
恋人(彼氏・彼女)への対応

一番近くで、寝る間も惜しんで頑張る姿を見てきた恋人だからこそ、かけられる言葉があります。と同時に、近すぎるがゆえの難しさもありますね。
NGなのは、試験前に「絶対大丈夫だよ」と根拠なく励ましていた場合。
結果がダメだった時、「あんなに大丈夫って言ったのに…期待に応えられなかった」と、相手を余計に傷つけることになります。
かける言葉としておすすめなのは、「プロセス」を承認する言葉です。
<恋人へのかける言葉・対応>
- 「結果は残念だったけど、あなたが誰より頑張ってたの、私(俺)が一番知ってるから」
- 「つらいのに、話してくれてありがとう」
- 「今は何も考えなくていいよ。ただ、そばにいるね」
- (言葉をかける代わりに)そっと背中をさすったり、温かい飲み物を入れたりする
安易に「わかるよ」と共感するより、「そばにいるよ」「あなたの努力を私は知ってるよ」と伝える方が、相手の支えになるはずです。
言葉で励ますよりも、何も言わずに家事を手伝ったり、一緒に好きな映画を見たりして、日常を一緒に過ごすことが、一番のサポートになるかもしれません。
ママ友への適切な声かけ

これは…今回のテーマの中で、ある意味一番デリケートな問題かもしれません。
特に中学受験や高校受験、大学受験が絡むと、ママ友関係は複雑になりがちです。
私の考えとしては、基本は「相手から話してくるまで、こちらからは受験の話題に一切触れない」のが鉄則かなと思います。
こちらから「どうだった?」と聞くのは、たとえ善意からでも「詮索された」と受け取られかねません。
もし自分の子どもが合格していた場合は、なおさらです。
「マウントを取られた」と誤解され、関係がこじれる原因にもなり得ます。
もし相手から「うちは残念だった」と打ち明けられたら、それはあなたを信頼してくれている証拠です。ここで比較したり、アドバイスしたりするのは絶対にNG。
<ママ友から打ち明けられた時の対応>
そうだったんだ…(驚きや同情の表情は控える)
本当にお疲れ様。〇〇ちゃんも、サポートしてた〇〇さん(ママ友)も、本当によく頑張ったよね。
今はゆっくり休んでね
ポイントは、共感(悔しかったね)ではなく「労い(ねぎらい)」に徹することです。
「悔しかったね」という共感すら、相手にとっては「あなたに何がわかるの」となってしまう可能性も。
あくまで「お疲れ様」と、子どもと、サポートしてきたママ友自身の、これまでの努力を労う言葉が一番無難で、誠実かなと思います。
(ママ友との難しい関係性については、ママ友との距離感について書いた記事も、よかったら読んでみてください。)
同僚や部下への配慮

職場での資格試験の不合格なども、対応に悩みますよね。
これはプライベートな部分でもあるので、あまり深入りしないのがビジネスマナーかなと思います。
▼同僚(水平関係)の場合
もし本人が「ダメでした…」と話してきたら、
- 「お疲れ様でした。忙しい中、勉強してたの知ってますよ」
- 「また次チャレンジする時は応援してます」
と、あっさり、でも温かく伝える程度がいいかもしれません。
ランチなどで落ち込んでいる様子なら、試験とは関係ない雑談をして、気分転換を手伝ってあげるのも優しさですね。
▼部下(垂直関係)の場合
上司として面談などをする場合は、少し対応が変わってきます。失敗を責めるのは論外ですが、精神論だけでも無責任です。
<部下へのフォローアップ>
- 「まずは、業務と両立しながらの勉強、お疲れ様」と労う。
- 失敗を責めず、客観的な原因(例:「あの時期、残業が集中してたよね」「準備期間が足りなかったかも」)を「一緒に考える」。
- 「もし次も挑戦するなら、業務量を調整できるか検討するよ」「会社としてサポート(費用補助など)できることがあるか確認してみる」と、具体的な支援を提示する。
このように、部下が次の学びに繋げられるよう、客観的な分析と実務的なフォローアップを「一緒に考える」姿勢が大事ですね。
最適な不合格の時にかける言葉とは

ここまで色々な関係性の例を見てきましたが、結局のところ、「これさえ言えばOK」という魔法の言葉はありません。
「最適な言葉」は相手の状況や関係性によって全部違うからです。
だからこそ、「何を言うか」というテクニック以上に「いかに聴くか」、そして「いかに待てるか」が重要なんだと、私は強く思います。
大切な人が落ち込んでいる時、私たちはその「不快な状況」を早く終わらせたくて、つい言葉で解決しようとしてしまいます。
でも、それは相手のためではなく、自分の不安を解消したいだけなのかもしれません。
サポートの本質は「待つ」こと、そして「聴く」こと
相手が自分の力でショックや落ち込みの暗いトンネルを抜け、自分の口で「話そう」と思えるようになるまで、焦らずに「安全な場所」として待つこと。
そして相手が話し始めたら、アドバイスや「正論」でその言葉を遮らずに、「つらかったね」「悔しかったね」と、相手の感情をそのまま受け止めて、「ただただ聴く」こと。
言葉を探す前に、まず「聴く」準備をすること。それが、不合格というつらい経験から立ち直ろうとしている人への、一番誠実で、一番のサポートになるんじゃないかなと思います。
