年末や年度末が近づくと、「一年を振り返って」と題したレポートやスピーチ、作文の機会が増えますよね。
日々の業務に追われる中で、自身の成長や課題をじっくりと見つめ直す時間は、次のステップへ進むために不可欠です。
しかし、いざ書こうとしても、仕事での振り返りの仕方がわからなかったり、具体的に「振り返って」の例文は?と手が止まってしまったりする社会人は少なくありません。
特に、看護師一年を振り返っての例文は?といった専門職の方や、日々の業務改善が評価に繋がりやすい事務職の方が使える例文を探しているケースも多いでしょう。
また、1年の振り返り 書き方を学ぶだけでなく、大勢の前で話す1年の振り返りスピーチで何を話せば良いか、評価に直結する一年の振り返りレポートには何を書けばいいですか?と悩むこともあります。
この記事では、そんな悩みを解決するために、振り返りで何をするか?という基本から、やったことでわかったことを次やることに活かすには?という応用、さらには振り返りを習慣化すると良いことは?といったキャリア全体に好影響を与えるメリットまで、幅広く解説します。
社会人向けの作文例や、すぐに使える一年の振り返り テンプレート、振り返りレポート 例文、そして多くの人が陥りがちな実例と注意点も交えながら、あなた自身の言葉で、納得感のある一年をまとめるお手伝いをします。
- 仕事の振り返りの基本的な考え方や書き方
- 【職種・場面別】そのまま使える豊富な例文
- レポートやスピーチで使えるテンプレート
- 振り返りを次に活かすための具体的なヒント
一年を振り返って|仕事で使える例文の考え方
- 仕事での振り返りの仕方は?
- 1年の振り返り 書き方のポイント
- やったことでわかったことを次やることに活かすには?
- 振り返りの実例と注意点
- 振り返りを習慣化すると良いことは?
仕事での振り返りの仕方は?

仕事における一年の振り返りは、単に過去の出来事を思い出すノスタルジックな作業ではありません。
自身の成長を客観的に認識し、来期の目標設定や中長期的なキャリアプランに繋げるための、未来志向の重要なプロセスです。
効果的な振り返りを行うためには、闇雲に書き始めるのではなく、まず具体的なステップと全体像を理解することが成功への近道となります。
はじめに、この一年間で関わったプロジェクトや担当した主要な業務を、可能な限り時系列でリストアップしてみましょう。
記憶だけに頼らず、過去のスケジュール帳やカレンダー、業務日報、作成した資料などを見返すと、忘れていた重要な出来事やその時の感情も鮮明に思い出しやすくなります。
この「事実の棚卸し」が、振り返りの土台となります。
次に、リストアップした各項目について、
- 「成功したこと(Good)」
- 「課題・反省点(Bad)」
- 「次に取り組みたいこと(Next)」
といった観点で分類し、深掘りしていきます。
このとき、「楽しかった」「大変だった」といった感情的な言葉だけでなく、あくまで事実ベースで客観的に書き出すことが、質の高い振り返りのための重要なポイントです。
振り返りの基本4ステップ
- 事実の洗い出し(What):一年間の業務や参加したプロジェクト、達成したタスクなどを具体的にリストアップする。「いつ」「どこで」「誰が」「何を」を明確にする。
- 要因の分析(Why):成功・失敗それぞれの原因を深掘りする。なぜ上手くいったのか、その背景にはどのような準備や協力があったのか。何が足りなかったのか、予期せぬ障害は何かを多角的に分析する。
- 学びの言語化(Learn):経験から得られた教訓やスキル、新たな気づきを自分の言葉でまとめる。「この経験から〇〇の重要性を学んだ」「〇〇というスキルが身についた」など、汎用的な知見に昇華させる。
- 未来へのアクション設定(Action):学びを元に、次の具体的な行動計画を立てる。「来期は〇〇の資格取得を目指す」「週に一度、〇〇に関する情報収集の時間を作る」など、具体的で測定可能な目標を設定する。
このように、過去の経験を「事実の整理」→「原因の分析」→「学びの抽出」→「未来の行動計画」という一連の流れで捉えるのが、仕事における振り返りの基本的な仕方です。
このプロセスを丁寧に行うことで、漠然としていた一年間の記憶が意味のある経験として整理され、確かな自己成長を実感できるでしょう。
1年の振り返り 書き方のポイント

一年の振り返りを文章にまとめる際には、単なる自己満足の感想文で終わらせないための、いくつかの重要なポイントがあります。
特に、上司や同僚といった読み手に自身の成長や組織への貢献度を的確に伝えるためには、主観的な思いだけでなく、客観的な事実に基づいた説得力のある構成や表現を意識することが不可欠です。
まず、具体的な数字やデータを用いて定量的に示すことを常に心がけましょう。
言葉だけでは伝わりにくい成果も、数字を添えることで一気に客観性と信頼性が増します。
例えば、「営業成績が上がりました」と書くのではなく、「新規顧客を25件獲得し、担当エリアの売上目標を対計画比110%で達成しました」と記述することで、成果の規模感が明確に伝わります。これは営業職に限りません。
職種別:定量的表現の具体例
- エンジニア職:「担当機能のレスポンス速度を20%改善し、ユーザー満足度の向上に貢献した。」
- 企画職:「市場調査に基づき企画したキャンペーンが成功し、製品の認知度がアンケート調査で15ポイント上昇した。」
- 管理部門:「業務プロセスを見直し、月平均10時間の残業時間削減を実現した。」
また、失敗談や反省点に触れることは、自己を客観視できている証として、むしろポジティブな印象を与えます。
ただし、ネガティブな内容で終わらせるのではなく、その経験から何を学び、今後どのように改善していくかという未来志向の姿勢をセットで示すことが絶対条件です。
失敗を成長の糧として捉えていることをアピールできれば、評価にも繋がりやすくなります。
書き方の注意点:事実と所感の分離
振り返りを書く際は、「事実」(例:プロジェクトが納期より1週間遅れた)と、「所感」(例:自分の力不足を感じた)を明確に区別することが大切です。
事実に基づかない主観的な評価ばかりだと、独りよがりな文章に見えてしまい、説得力に欠けてしまいます。
まずは客観的な事実を述べ、それに対して自分がどう考え、どう改善するのかを記述する順番を意識しましょう。
また、「〇〇さんが協力してくれなかったから」といった他責にするような表現は厳禁です。
あくまで「自分自身の行動」として振り返り、改善策を考える姿勢が求められます。
やったことでわかったことを次やることに活かすには?

振り返りの最も重要な目的は、過去の経験を塩漬けにせず、「未来の成功確率を高めるための糧とすること」に他なりません。
そのために非常に有効な思考のフレームワークがいくつか存在します。
代表的なものに「YWT法」と「KPT法」があり、これらを使い分けることで、思考を効率的に整理できます。
YWT法:経験を学びとアクションに繋げる
「YWT法」は、
- 「Y(やったこと)」
- 「W(わかったこと)」
- 「T(つぎにやること)」
の3つの視点で思考を整理する、非常にシンプルかつ強力な手法です。
個人の経験を内省し、次に活かすことを目的としています。
このフレームワークを使うことで、行動(Y)と、それによって得られた学びや気づき(W)、そして未来への具体的なアクション(T)が明確に結びつきます。
例えば、ただ「新規プロジェクトを完遂した」で終わらせるのではなく、「なぜ完遂できたのか、成功の要因は何か(わかったこと)」を深く分析し、「その成功要因を別のプロジェクトでも再現するにはどうすれば良いか(つぎにやること)」まで思考を落とし込むことができます。
YWT法の実践例
YWT法を活用して、経験を次に活かす思考プロセスを整理してみましょう。
項目 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
Y:やったこと | 実際に行った行動や発生した事実を客観的に記述する | 新しい顧客管理ツール(CRM)の導入プロジェクトで、チームへの定着支援を担当した。 |
W:わかったこと | 「やったこと」から得られた学び、気づき、法則などを記述する | 導入初期に丁寧なマニュアルを作成し、実践的な勉強会を複数回開催したことが、メンバーの心理的な抵抗感を和らげ、スムーズな移行に不可欠だったとわかった。 |
T:つぎにやること | 「わかったこと」を基にした、具体的で測定可能な次のアクションプラン | 来期に導入予定の経費精算システムでも、同様の導入プロセス(マニュアル作成・勉強会)を踏襲する。また、各部署に推進アンバサダーを1名ずつ任命し、現場の声を吸い上げる仕組みを作る。 |
KPT法:チームでの改善活動を促進する
もう一つの代表的なフレームワークが「KPT法」です。これは
- 「Keep(継続したいこと)」
- 「Problem(問題点・課題)」
- 「Try(次に挑戦したいこと)」
の3つの観点で振り返る手法で、特にチームでのプロジェクトや継続的な業務改善の振り返りに適しています。
YWTとKPTの使い分け
YWTは個人の経験や学びを深めるのに適しており、「わかったこと」という内省的なプロセスが特徴です。
一方、KPTはチーム活動が対象で、「Problem」を明確にすることで、具体的な改善策(Try)に繋げやすいという特徴があります。
個人の振り返りならYWT、チームの振り返りならKPTをベースに考えると良いでしょう。
これらのフレームワークを活用し、やったことでわかったことを言語化し、具体的な「つぎにやること」に繋げることで、振り返りは単なる思い出話ではなく、未来の自分やチームを確実に成長させるための設計図となるのです。
振り返りの実例と注意点

良い振り返りと、残念ながら評価に繋がりにくい振り返りの実例を比較することで、より具体的なイメージを掴みましょう。
両者を分ける決定的な違いは、自己分析の深さ、客観性、そして未来志向の視点を持っているかどうかにあります。
上司や評価者が振り返りで知りたいのは、「あなたがこの一年で何を感じたか」だけではありません。
「事実をどう捉え、何を学び、次にどう貢献してくれるのか」という点を見ています。その視点を意識するだけで、文章の質は大きく変わりますよ。
【NG例①】感想のみで具体性がない
今期は新しい業務が多くてとにかく忙しく、大変でした。来期はもう少しタスク管理をうまくやって、効率的に業務を進めたいと思っています。
問題点:「何が」「どのように」大変だったのか、効率化のために「具体的に何を」するのかが全く不明確です。
「頑張りたい」という気持ちは伝わりますが、これでは改善に向けた具体的なアクションプランが見えず、成長への意欲をアピールするには不十分です。
【OK例①】事実と分析、アクションが明確
今期はプロジェクトAとBが並行し、月平均の残業時間が前期比で15時間増加しました。
原因は、各タスクの工数見積もりが甘く、優先順位付けが曖昧だったことにあると分析しています。
この経験から、緊急度と重要度でタスクを4象限に分類する時間管理術を学びました。
来期は、毎朝10分間のタスク整理タイムを設け、週次でチームに進捗を共有することで、計画的に業務を進めます。
評価ポイント:「事実(残業増加)」→「原因分析(工数見積もりと優先順位付け)」→「学び(時間管理術)」→「次の具体的なアクション(タスク整理タイムと週次共有)」という流れが非常に明確です。
これなら読み手も納得感があり、本人の課題解決能力と成長意欲が伝わります。
【NG例②】他責にしていて改善が見えない
プロジェクトCの納期が遅れたのは、〇〇部からの情報提供が遅れたのが主な原因です。
もっと早く情報共有があれば、スムーズに進められたはずです。
問題点:失敗の原因を他者や外部環境に求めており、自身の行動に対する内省がありません。これでは「他責にする人物」というネガティブな印象を与えかねません。組織で働く以上、他部署との連携は不可欠であり、それを円滑に進めるのも本人のスキルの一つです。
【OK例②】自分の課題として捉え、対策を提示
プロジェクトCにおいて、〇〇部との連携不足から一部手戻りが発生し、結果として納期が遅れてしまいました。
原因は、私が連携事項の確認を口頭に頼り、定期的な進捗確認の場を設けなかったことにあると反省しています。
この経験から、関係者が多いプロジェクトでは、主体的なコミュニケーションと合意形成の記録が不可欠だと学びました。
今後は、キックオフの段階で関係部署との定例会議を設定し、議事録を必ず共有するプロセスを徹底します。
評価ポイント:同じ事象でも、原因を「自身の働きかけ不足」と捉え、具体的な改善策を提示しています。このような姿勢は、問題解決能力と当事者意識の高さを示し、信頼に繋がります。
振り返りを習慣化すると良いことは?

年に一度の一大イベントとして「一年の振り返り」を行うことはもちろん重要ですが、もしあなたが成長のスピードを加速させたいのであれば、「小さな振り返り」を日々または毎週のサイクルで習慣化することを強くお勧めします。
振り返りを習慣にすることで、仕事の質や課題解決能力が格段に向上し、多くのポジティブな効果が期待できます。
最大のメリットは、問題の早期発見と迅速な軌道修正が可能になることです。
例えば、プロジェクトの進め方に非効率な点があった場合、一年後に「あの時の進め方は大きな失敗だった」と気づくのと、一週間後に「この進め方は少し非効率かもしれない。来週はやり方を変えてみよう」と気づけるのとでは、その後の成果に天と地ほどの差が生まれます。
日々の小さな改善の積み重ねが、一年後には誰にも真似できない大きな成果となって表れるのです。
また、厚生労働省の調査でも示されている通り、仕事へのモチベーションや「働きがい」は、自己の成長実感と密接に関連しています。(出典:厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析」)
日々の忙しさの中で、私たちは自分が達成した小さな成功や進歩を見過ごしがちです。
しかし、意識的に
- 「今日できたこと」
- 「先週より上手くできたこと」
を振り返る習慣をつければ、「自分は着実に前進している」という自己効力感を持つことができ、仕事へのモチベーションを高く維持しやすくなります。
振り返りを無理なく習慣化する3つのコツ
- 時間を決める(Time):「毎日、終業前の5分間」「金曜日の午後3時から15分間」など、カレンダーに定例の予定として入れてしまいましょう。ルーティン化することが継続の鍵です。
- フォーマットを決める(Template):前述の「KPT法」や、もっとシンプルに「Good(良かったこと)」「More(もっと良くできたこと)」だけでも構いません。簡単な型を用意することで、何を書くか迷う時間をなくせます。
- 完璧を目指さない(Easy):一行だけでも、箇条書き一つだけでも構いません。大切なのは、完璧な分析をすることではなく、とにかく「振り返る時間を確保し、書く」という行動を続けることです。
このように、振り返りの習慣化は、日々の業務効率の改善だけでなく、キャリアにおける精神的な安定や成長実感にも大きく寄与します。
ぜひ、年末だけでなく日々の業務の中に「小さな振り返りの時間」を取り入れてみてください。
一年を振り返って|職種別の仕事例文集
- 社会人向けの基本的な振り返り例文
- 看護師一年を振り返っての例文は?
- 事務職で使える振り返りの例文
- 参考にしたい振り返りレポート 例文
- 1年を振り返るスピーチの例文
- すぐに使える一年の振り返り テンプレート
社会人向けの基本的な振り返り例文

ここでは、どのような職種でも応用が利く、社会人としての基本的な振り返りの型を「成果」「課題克服」「チーム貢献」という3つの視点からご紹介します。
ご自身のこの一年間の経験の中で、最も伝えたいエピソードはどれに近いか考えながら、単語や数値を入れ替えてご活用ください。
1. 成果をアピールする例文(マーケティング職の例)
この一年は、マーケティング担当として新規顧客獲得数の最大化に注力いたしました。
特に、前期からテストを繰り返していたSNS広告の運用改善が下半期に実を結び、広告経由の月間コンバージョン数を平均で昨対比150%、目標達成率120%という成果を出すことに成功しました。
この成果の背景には、毎週のデータ分析を基に、クリエイティブとターゲット層の組み合わせについて粘り強く仮説検証を繰り返したことがあります。
この経験を通じて得たデータドリブンなアプローチとPDCAサイクルの実践スキルを、来期は既存顧客向けの施策にも活かし、LTV(顧客生涯価値)の向上という、より事業の根幹に関わる領域で貢献したいと考えております。
2. 課題克服をアピールする例文(企画・開発職の例)
今年度当初、私は複数案件の同時進行におけるタスク管理に大きな課題を抱えており、自身の見積もりの甘さからプロジェクトの納期遅延を招いてしまったことがありました。
この失敗を真摯に受け止め、上司に相談の上、タスク管理ツール(Asana)の導入と、自身の作業工数を細分化して見積もる「WBS(作業分解構成図)」の手法を学び、実践いたしました。
結果として、下半期においては担当した全15案件で一度の遅延もなく、むしろ前倒しで完了できたプロジェクトもありました。
この経験から、計画性と透明性の高い情報共有、そして「報・連・相」の重要性を痛感いたしました。
来期も自己管理を徹底するだけでなく、チーム全体のタスク管理プロセスの標準化を提案し、組織全体の生産性向上に貢献して参ります。
3. チームへの貢献をアピールする例文(リーダー・中堅社員の例)
本年度は、チームリーダーとして若手メンバー2名の育成(OJT)に尽力いたしました。
特に、画一的な指導ではなく、週に一度の1on1ミーティングを導入し、各メンバーのキャリアプランや業務上の悩みに寄り添い、個々の強みを引き出すことを心がけました。
その結果、チーム全体の主体性が向上し、メンバー発信の業務改善提案が年間で10件以上生まれるなど、チームが自走する組織へと変化する土台を築けたと実感しております。
私自身にとっても、メンバーの成長を間近で支援できたことは大きな喜びであり、従来のティーチングだけでなく、相手の考えを引き出す傾聴力やコーチングのスキルを磨く貴重な機会となりました。
来期も、個々の強みを最大限に引き出せる心理的安全性の高いチーム作りに邁進する所存です。
看護師一年を振り返っての例文は?

看護師にとって一年の振り返りは、日々の実践を省察(リフレクション)し、自身の看護観を深め、キャリアアップに繋げるための極めて重要な機会です。
実際、日本看護協会が示す新人看護職員研修ガイドラインでも、経験から学び、次に活かすための「リフレクション」の重要性が強調されています。(出典:公益社団法人日本看護協会)ここでは、経験年数や状況に応じた例文を3つご紹介します。
新人看護師(1年目)の例文
入職してからの一年間、日々の業務を覚え、実践することに必死の毎日でした。
当初は知識・技術不足から、インシデントには至らないもののヒヤリハットを経験することも多く、不安を感じる場面もありました。
しかし、プリセプターの〇〇先輩をはじめ、病棟の皆様の温かくも的確なご指導のおかげで、基本的な看護技術を安全に実施できるようになり、患者様と主体的に関わることの基盤ができたと感じています。
特に印象に残っているのは、〇〇様のターミナルケアにチームの一員として関わらせていただいた経験です。
ご本人とご家族の思いに寄り添うことの難しさと尊さを学び、ただ手順をこなすだけでなく、個別性を尊重したケアとは何かを深く考える大きなきっかけとなりました。
2年目は、急変時対応の知識を深めるとともに、アセスメント能力をさらに高め、より根拠に基づいた個別性のある看護計画を自ら立案できるよう、自己学習に励みたいと思います。
中堅看護師(3~5年目)の例文
この一年は、病棟のリーダー業務を任される機会が増え、個々の患者様へのケアだけでなく、チーム全体を俯瞰し、円滑に業務を調整する視点が養われた年でした。
日々のインシデントレポートを分析し、チーム内で業務プロセスの見直し(ダブルチェック方法の標準化など)を提案・実行した結果、投薬ミスに関するヒヤリハットを前期比で30%削減できたことは、チームとしての大きな成果だと感じています。
一方で、リーダー業務に追われ、患者様一人ひとりと向き合う時間が物理的に減ってしまったことが、今後の課題でありジレンマです。
来期は、チーム全体の業務効率化をさらに推し進め、メンバー全員が患者様のケアに集中できる時間を確保すること、そして私自身も後輩指導だけでなく、専門領域である〇〇(例:創傷管理、緩和ケアなど)の認定看護師資格取得を視野に入れ、ケアの質向上に直接的に貢献したいです。
ベテラン・管理職の例文
今年度は、看護師長として「スタッフのワークライフバランスを尊重し、持続可能な職場環境を構築すること」を目標に掲げ、スタッフの勤務希望のヒアリングとAIを活用したシフト作成ツールの導入に取り組みました。
これにより、超過勤務時間を前年度比で平均15%削減し、スタッフ満足度アンケートでも「希望休が取りやすくなった」というポジティブな意見が増えたことを嬉しく思います。
また、新人教育プログラムを改訂し、eラーニングと集合研修、OJTを組み合わせたブレンディッドラーニングを導入しました。
これにより、教育担当者の負担を軽減しつつ、新人が自分のペースで知識を定着させられる環境を整備できたと考えております。
今後は、スタッフ一人ひとりのキャリアラダーに合わせた目標設定を支援し、個々の成長が組織全体の看護の質向上に繋がるという好循環を生み出せるよう、マネジメントに努めて参ります。
事務職で使える振り返りの例文

事務職の振り返りでは、日々の業務を着実にこなす「正確性」や「信頼性」はもちろんのこと、業務プロセスを改善する「効率化」への貢献や、他部署との円滑な連携を促す「サポート力」といった付加価値を言語化することが重要です。具体的な改善内容や数値を交えながら、自身の貢献をアピールする例文を3パターン紹介します。
1. 業務改善をアピールする例文
今年度は、毎月月初に集中していた請求書発行プロセスの見直しを担当いたしました。
従来は複数のExcelファイルから手作業でデータを転記していたため、作業に時間がかかる上、入力ミスも散見されました。
そこで、VBA(Visual Basic for Applications)を独学で習得し、データ転記とPDF出力を自動化するツールを作成しました。
これにより、月間約20時間の作業時間削減と、人為的ミスによる差し戻し件数をゼロにすることに成功しました。
導入当初は操作に戸惑う声もありましたが、簡易マニュアルの作成や個別のフォローアップを実施することで、チーム全員がスムーズに新プロセスへ移行できました。
この経験から、現状の業務に疑問を持ち、主体的に改善案を実行する重要性を学びました。来期は、契約書管理の電子化にも取り組み、さらなるペーパーレス化と検索性の向上を目指したいです。
2. 正確性と信頼性をアピールする例文
私はこの一年間、経費精算および支払業務において「ダブルチェックの徹底と規程遵守によるミスの撲滅」を個人の目標として掲げて参りました。
申請内容と社内規程の照合を丁寧に行い、少しでも疑問点があれば必ず申請担当者に意図を確認するプロセスを徹底した結果、私が担当した年間約1,000件の精算処理において、差し戻しや修正は一件もありませんでした。
この正確な業務遂行が、経理部門全体の信頼性向上と、月次決算の早期化に僅かながら貢献できたのであれば幸いです。
派手な成果ではありませんが、日々の地道な業務を正確に行うことが、会社全体の健全な運営の土台となることを再認識いたしました。
今後もこの姿勢を維持し、「あの人に任せれば安心だ」と言われる存在を目指し、バックオフィスから会社を支えていきたいと考えております。
3. サポート力・協調性をアピールする例文
今年度は、営業部のサポート担当として、営業担当者がより営業活動というコア業務に専念できる環境作りを意識して業務に取り組みました。
具体的には、各担当者のスケジュールを基に訪問先の企業情報や過去の商談履歴をまとめたサマリーを先回りして準備したり、問い合わせの多い製品情報をまとめたクラウド上のFAQドキュメントを作成・更新したりしました。
その結果、営業担当者からは「資料準備の時間が半減し、顧客との対話の質を高めることができた」という感謝の言葉をいただくことができました。
来期は、現在属人的になっている顧客情報の管理方法を改善するため、CRM(顧客関係管理)ツールの導入を正式に提案し、部署全体でスムーズに情報共有できる仕組みを構築していきたいと考えております。
参考にしたい振り返りレポート 例文

レポート形式で一年の振り返りを提出する場合、口頭での発表や作文よりも、より構造的でロジカル、そして客観的な記述が求められます。
これは自身の評価のためだけでなく、上司が部下の状況を正確に把握し、適切なフィードバックや次期の目標設定を行うための重要なコミュニケーションツールだからです。
ここでは、基本的な構成に沿ったレポートの例文を紹介します。
振り返りレポートの基本構成
- 要約:この一年間の成果と課題の概要を3~4行で簡潔に記述。多忙な上司が最初に目を通す部分。
- 目標と達成状況:期初に設定した目標(KGI/KPI)と、それに対する具体的な達成度を定量的に記述。
- 成果の詳細と成功要因:最も大きな成果を挙げ、なぜ成功したのかを再現性のある形で分析。
- 課題と今後の改善策:直面した課題を挙げ、その根本原因と具体的な解決策(アクションプラン)を提示。
- 来期の目標:今回の振り返りを踏まえ、SMART原則(具体的、測定可能、達成可能、関連性、期限)を意識した目標を設定。
振り返りレポート 例文
件名:2025年度 業務報告および振り返りレポート(〇〇部 氏名)
1. 要約
2025年度は、プロジェクトリーダーとして新規サービス「Project Phoenix」の立ち上げを主導し、計画通り9月25日にリリースを達成した。アジャイル開発手法の導入により、開発プロセスは円滑に進んだ。一方で、リリース後のユーザー獲得ペースが計画を下回り、データに基づいたマーケティング手法の強化が次期の最重要課題であると認識している。
2. 目標と達成状況
期初目標 | 結果 | 達成状況 |
---|---|---|
新規サービス「Project Phoenix」を9月末までにリリースする | 9月25日に正式リリース | 達成 |
担当製品全体の売上を前年比10%向上させる | 前年比105%で着地 | 未達成 |
3. 成果の詳細と成功要因
最大の成果は、開発・営業・企画からなる15名規模の部門横断プロジェクトであった新規サービス「Project Phoenix」を、大きな遅延や仕様変更なく計画通りにリリースできた点である。
成功要因は、プロジェクト管理にアジャイル開発(スクラム)の手法を導入し、2週間スプリントでの開発サイクルを徹底したことにある。
これにより、週次の定例会だけでなくデイリースタンドアップミーティングで密な情報連携を行い、課題の早期発見と迅速な意思決定が可能となった。
4. 課題と今後の改善策
売上目標が未達に終わった根本原因は、リリース後のプロモーション施策が過去の成功体験に依存しており、効果測定が不十分だった点にある。
この反省から、今後はGoogle Analyticsや自社DBを活用し、すべての施策において事前にKPI(例:CPA、アクティブユーザー数)を設定し、効果検証を行うデータドリブンなプロセスを徹底する。
その第一歩として、まずはデータ分析の関連書籍やオンラインセミナーで基礎知識を体系的に習得する。
5. 来期の目標
以上の振り返りを踏まえ、来期は以下の2点を目標とする。
- 定量的目標:新規サービス「Project Phoenix」の有料会員数を2026年9月末までに1,000人獲得する。
- 定性的目標:データ分析に基づいたサービス改善提案を四半期に一度、企画会議で実施する。
1年を振り返るスピーチの例文

朝礼や納会、部署の総会などで1年を振り返るスピーチを求められた場合、レポートとは全く異なるアプローチが必要です。
スピーチの目的は、ロジカルな情報伝達だけでなく、聴衆との感情の共有にあります。
一年間の労をねぎらい、仲間への感謝を伝え、未来への一体感を醸成することがゴールです。ここでは、3分程度のスピー-チを想定した例文を紹介します。
スピーチのコツは、具体的なエピソードを一つに絞って、情景が目に浮かぶように話すことです。
数字やデータだけでなく、その時の苦労や喜びといった感情が伝わるような話を加えることで、聴衆はあなたの話に引き込まれ、共感を覚えるでしょう。
スピーチ例文
皆さん、一年間本当にお疲れ様でした。このような節目の場をいただき、ありがとうございます。〇〇部の〇〇です。
この一年を振り返りますと、私にとって、そしてここにいるチームの皆さんにとっても、最も印象深かったのは、チーム一丸となって乗り越えた、あの〇〇プロジェクトではないでしょうか。
夏の暑い盛り、予期せぬ大規模な仕様変更があり、一時は本当にどうなることかと思いましたが、あの時、部署の垣根を越えて皆さんが助けてくださった光景を、今でも鮮明に覚えています。
夜遅くまで一緒に残ってくれた〇〇さん、的確な技術的アドバイスをくれた〇〇部長、そして何より、誰一人として諦めることなく、「絶対に乗り越えよう」という同じ気持ちで自分の役割を果たしたからこそ、あの困難を乗り越えられたのだと、心から感じています。
この経験を通じて、私は改めて、この素晴らしいチームで働けることの誇りと、仲間の存在のありがたさを実感いたしました。
もちろん、私個人としては、まだまだ至らない点も多く、皆様にご迷惑をおかけしたことも多々あったかと存じます。
この場を借りてお詫び申し上げますとともに、皆様の温かいサポートに、心より感謝申し上げます。
来年は、この一年で得た学びと、皆さんへの感謝の気持ちを胸に、このチーム、そして会社に少しでも恩返しができるよう、より一層精進していく所存です。
結びになりますが、皆様の益々のご健勝と、会社のさらなる発展を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。一年間、本当に、本当にありがとうございました。
すぐに使える一年の振り返り テンプレート

「何から書けばいいかわからない」という方のために、振り返りを効率的に行うテンプレートを用意しました。
あらかじめ項目が整理されているため、このフォーマットに沿って書き進めるだけで、自然と要点を押さえた振り返りが完成します。
テンプレートを埋めることが目的にならないよう、各項目でじっくりと自分自身と対話しながら進めてみてください。
【汎用】一年の振り返りテンプレート(解説付き)
以下の項目をコピーし、ご自身の言葉で埋めてみてください。レポート提出はもちろん、上司との面談資料や自己分析のツールとしても幅広く活用できます。
項目 | 記入内容 | 記入のヒント |
---|---|---|
1. 今年度の主な実績・成果 (箇条書きで3つ程度) | (例)主要プロジェクト〇〇を納期通りに完了 (例)業務プロセス改善により月間10時間の工数削減 (例)新人〇〇さんのOJT指導を担当 | まずは「何をしたか(事実)」を客観的に書き出します。大きなことから小さなことまで、思いつく限りリストアップし、その中から特に重要なものを3つ選びましょう。 |
2. 成果に対する自己評価と成功要因 (最も大きな成果について、なぜ上手くいったかを分析) | (例)プロジェクト〇〇では、初期段階で詳細なWBS(作業分解構成図)を作成し、タスクの可視化を徹底したことが成功要因だと考える。これにより、進捗管理が容易になり、潜在的なリスクを早期に発見できた。 | 成果を「運が良かった」で終わらせず、再現性のある「成功法則」として抽出します。あなたのどのようなスキル、知識、行動が成果に繋がったのかを具体的に記述しましょう。 |
3. 今年度の課題・反省点 (具体的に直面した困難や失敗、改善すべき点) | (例)他部署との連携において、情報共有のタイミングが遅れ、手戻りが発生する場面があった。口頭での確認に頼りすぎたことが原因だと反省している。 | できなかったこと、失敗したことを正直に書き出します。ここでは、原因を他責にせず、自分自身の行動や判断に焦点を当てて分析することが成長の鍵です。 |
4. 課題から得た学びと今後の対策 (反省を次にどう活かすか) | (例)今後は、部署間の連携事項は必ずチャットツールで記録を残し、議事録を作成・共有するプロセスを徹底する。これにより、認識の齟齬を防ぎ、円滑な連携を目指す。 | 課題を「反省して終わり」にしないための最も重要な項目です。「〇〇を学んだ」「〇〇の重要性を痛感した」という学びと、それを踏まえた具体的なアクションプランをセットで記述します。 |
5. 来年度の目標・抱負 (振り返りを踏まえ、挑戦したいこと) | (例)今年度の経験を活かし、来期はプロジェクトマネジメントの資格取得に挑戦したい。また、後輩指導にもより一層力を入れ、チーム全体の底上げに貢献する。 | 1~4を踏まえ、来年どのような自分になりたいかを設定します。会社の目標と関連付けつつ、自身の成長に繋がるような、ワクワクする目標を立てられると理想的です。 |
自分に合う一年を振り返っての仕事例文を見つけよう
この記事では、仕事における一年の振り返りの具体的な方法から、職種や場面に応じた豊富な例文、そしてすぐに使えるテンプレートまで、幅広く解説してきました。
振り返りは、決して形式的な作業や義務ではありません。
忙しい日常の中で一度立ち止まり、自身の歩んできた道のりを確かめ、次の一歩をより確かなものにするための、未来に向けた投資です。
最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- 一年の振り返りは過去の経験を未来の成長に繋げる重要なプロセスである
- 振り返りを行う際はまず一年間の業務や出来事を時系列で洗い出す
- 成功や失敗の要因を客観的に分析し学びを言語化することが大切
- 具体的な数字やデータを用いて定量的に示すと成果が伝わりやすい
- 失敗談は隠さずそこから何を学びどう改善するかの姿勢を示す
- YWT法(やったこと・わかったこと・つぎにやること)は思考整理に有効なフレームワーク
- KPT法(継続・問題点・挑戦)はチームでの改善活動に適している
- レポートでは客観性とロジカルな構成が求められる
- スピーチでは具体的なエピソードを交えながら聴衆への感謝を伝える
- 看護師の振り返りでは患者との関わりやチーム医療における役割がポイントになる
- 事務職の振り返りでは業務改善や効率化、正確性といった観点での貢献をアピールする
- 例文はそのまま使うのではなく自分の経験や言葉に置き換えて活用する
- テンプレートを活用すると要点を押さえた振り返りを効率的に作成できる
- 日々の小さな振り返りの習慣は問題の早期発見や自己肯定感の向上に繋がる
- 振り返りは自己成長を促しキャリアプランを考える上での大切な道しるべとなる