「ことづける」例文|「いいつけ」との違いとビジネス敬語も解説!

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こんにちは。言葉選びに悩みが尽きない「ラクママ」です。

「ことづける」って、普段なんとなく使ったり聞いたりする言葉ですけど、いざ自分で「ことづける 例文」と検索してみると、「あれ、この使い方で合ってるかな?」って不安になること、ありますよね。

特にビジネスシーンだと、敬語としてどう使えばいいのか、そもそも「ことづける」の意味自体、「いいつけ」と混同していないか、ちょっと心配になったりします。

他にも、

  • 「ことづかる」との違いは?手紙や品物を渡すときにも使えるの?
  • 漢字は「言付ける」と「託ける」どっちが正しい?
  • 類語や言い換え表現は?

……などなど、疑問が次々に出てくるかも。

この記事では、そんな「ことづける」に関するモヤモヤをスッキリ解決できるよう、意味や使い方を分かりやすくまとめてみました!

本記事のポイント

  • 「ことづける」と「いいつけ」の決定的な違い
  • 日常とビジネスシーン別の実践的な例文
  • 敬語表現「おことづけ」の正しい使い方
  • 「仲介」と「直接連絡」の2つの意味
目次

「ことづける」例文の前に!意味と誤用を解説

まずは、「ことづける」という言葉の基本的な意味や、多くの人が不安に感じる「あの言葉」との違いをしっかり押さえておきましょう。ここが分かれば、自信を持って使えるようになりますよ。

「ことづける」の正しい意味とは

「ことづける」のいちばん中心にある意味は、「誰か(第三者)を間に入れて、メッセージや品物を相手に届けてもらうこと」です。これが伝統的で根源的な意味(第一義)ですね。

もともと「言(こと)」を「付ける(つける)」、つまり「自分の言葉(や用件)を誰かに付着させて、運んでもらう」というイメージが原点なんです。

この「仲介者(Bさん)がいる」という点が、「言う」や「伝える」といった他の動詞とは違う、「ことづける」独自の特徴かなと思います。

「ことづける」の三者関係

「ことづける」の基本構造は、以下の3人が登場します。

  • A:依頼者(メッセージや品物の送り手)
  • B:仲介者(メッセージや品物を預かる人)
  • C:伝達先(メッセージや品物の受け手)

(例)A(私)B(同僚)に、C(部長)への D(伝言)を ことづける。

ちなみに、名詞形の「ことづけ」は、その「頼む行為」そのもの(例:「ことづけを頼まれる」)や、頼まれた「伝言・品物」そのもの(例:「彼からことづけを預かった」)を指します。どちらの使われ方も一般的ですね。

「いいつけ」との決定的な違い

「ことづける」を使うときに一番ためらってしまう理由が、この「いいつけ」との混同じゃないでしょうか。

なにしろ、漢字で書くとどちらも「言付」と書けてしまうので、ややこしいですよね…。

変換ミスでうっかり「言付け」と出してしまい、不安になる方も多いかも。

でも、意味はまったくの正反対なので、ここでしっかり区別しておきましょう!

「ことづけ」と「いいつけ」は全くの別物!

「ことづけ」が、相手に「お願いします」と依頼・伝達するニュートラルな行為なのに対し、「いいつけ」は「目上の人からの命令」「(ネガティブな)告げ口」といった、強い上下関係やネガティブな意味合いを持つ言葉です。

(例:「父の言い付けで来た」「先生に言い付けてやる」)

丁重にお願い(ことづけ)したつもりが、命令(いいつけ)だと思われたら大変ですよね。この違いは絶対に押さえておきたいポイントです。

意味と文脈がどれだけ違うか、テーブルにまとめてみました。スマホだと見切れるかもしれないので、横にスクロールしてみてくださいね。

項目ことづける / ことづけいいつけ
読みことづける / ことづけいいつけ
主な意味① 他の人に伝言や品物を託すこと。 ②(ビジネス)公式な連絡・報告。① 目下の者への命令、指示。 ② 告げ口
文脈依頼、伝達、報告(ニュートラル・ポジティブ)命令、指示、告げ口(強い・ネガティブ)
関係性Aさん → Bさん(仲介) → Cさん (対等または丁重)上司 → 部下(一方的・権威的)
例文「彼に伝言をことづける。」 「進捗をおことづけします。」「父の言い付けを守る。」 「あいつの悪事を言い付ける。」

漢字「言付ける」と「託(かこつ)ける」の使い分け

「ことづける」には「言付ける」と「託(かこつ)ける」という2つの主な漢字表記があります。どちらを使えばいいか迷うこともありますよね。

もともとのニュアンスをたどると、使われている漢字にヒントがあります。

「言付ける」のニュアンス

「言(ことば)」の字のとおり、もともとは伝言やメッセージなど「言葉」を託すイメージが強い表記です。まさに「言を付ける」ですね。

「託ける」のニュアンス

「託す(たくす)」の字が使われています。こちらは「信頼して任せる」というニュアンスが強くなります。

言葉だけでなく、物理的な「品物」や、もっと重い「任務」「希望」などを任せる文脈にもしっくりくる表記です。

…という違いがあったようです。

でも、現代ではこの使い分けは、ほとんど意識されていないのが現状かなと思います。どちらを使っても間違いと指摘されることは、まずないでしょう。

【結論】ひらがな表記が一番安全です

なにより、「言付ける」という漢字表記は、先ほどの「いいつけ(言付け)」と見た目がそっくりで、誤解を招くリスクがあります。

ビジネスメールやフォーマルな場面で誤解されたくない時は、あえて漢字を使わず、ひらがなで「ことづける」「ことづけ」と書くのが、現代では一番安全で分かりやすい方法だと私は思います!

この記事でも、ひらがな表記をメインで使っていきますね。

手紙や品物をことづける時の使い方

「ことづける」は、伝言(言葉)だけでなく、もちろん手紙や品物といった「モノ」を託すときにも使えます。

むしろ、昔は手紙や贈り物を運んでもらうのが主流だったかもしれませんね。

基本は、「Aさん(自分)が、Bさん(仲介者)に、Cさん(届け先)への、D(モノ)をことづける」という構造です。

日常会話だと、こんな感じでしょうか。

(例文1:品物・家族間)

お兄ちゃんが帰ってきたら、このお土産(D)をことづけておいてくれる?(Bさんへ依頼)

(A=私、B=聞き手、C=お兄ちゃん、D=お土産)

(例文2:手紙・職場)

出張に行く(Bさん)に、大阪支社(C)宛てのこの手紙(D)をことづけた。

(A=私、B=出張者、C=大阪支社、D=手紙)

(例文3:物品・友人)

明日のキャンプ、先に現地入りするBくんに、私のテントをことづけておいたよ。

(A=私、B=Bくん、C=キャンプ場(の私)、D=テント)

「ことづける」を使うと、「(仲介役の)Bさんにお願いして、Cさんに届けてもらう」という、人から人へのリレーのニュアンスがはっきり伝わりますね。

「ことづかる」の受身・可能表現

「ことづかる」は、「ことづける」の受け身(〜される)や可能(〜できる)の形です。

つまり、「伝言や品物を預かる(引き受ける)側」、仲介者(Bさん)の視点に立った言葉ですね。

「ことづけ」を「あずかる」と覚えておくと分かりやすいかも。

(例文1:預かってきた時)

弟から、明日の集合場所の変更(D)をことづかってきたよ。

(=私がB(仲介者)として、弟(A)から伝言(D)を預かってきた)

(例文2:依頼を引き受けた時)

はい、田中様からのことづけ(D)、確かにことづかりました。部長(C)にお渡しします。

(=私(B)が、田中様(A)からの伝言・品物(D)を預かりました)

ビジネスでの「ことづかりました」

電話応対や来客対応で、自分が仲介役(B)になる場面はよくありますよね。その際、「ことづかる」は非常に便利な言葉です。

(例:電話応対)

かしこまりました。〇〇様からのご伝言、確かにことづかりました。山田(C)が戻りましたら申し伝えます。

「預かります」と言うよりも、ぐっと丁寧で「任されました」という責任感が伝わる表現になります。

ビジネスでの「ことづける」例文と敬語の使い方

さて、ここからはビジネスシーンでの実践編です。「ことづける」は、実はビジネス特有の「第二の意味」を持っていて、これを押さえておくと敬語表現の幅がグッと広がりますよ。

「おことづけ」ビジネスでの正しい使い方

まず、敬語の基本として、名詞の「ことづけ」に接頭語「お」をつけた「おことづけ」という丁寧語(美化語)がよく使われます。

これは、言葉を丁寧に美化することで、相手への敬意を示す使い方ですね。(出典:文化庁『敬語の指針』

この「おことづけ」を、謙譲語や尊敬語と組み合わせて使います。

立場敬語の種類基本フレーズ意味
自分がする時謙譲語おことづけいたします(私が)ことづけをします
自分がする時謙譲語おことづけを承(うけたまわ)る(私が)ことづけを預かります
相手がする時尊敬語おことづけになる(相手が)ことづけをなさる
相手がする時尊敬語おことづけくださる(相手が)ことづけをしてくれる

ビジネスメールや電話応対で、これらのフレーズがさらっと出てくると、とても丁寧で知的な印象になりますね。

敬語は難しいですが、基本的な「型」を覚えておくと便利です。

場面別:伝言・仲介の例文(第一義)

まずは基本の「仲介」の意味(第一義)でのビジネス例文です。誰かに伝言や品物を託したり、託されたりする場面ですね。

社内(上司・同僚へ)

(例文1:仲介者が依頼を引き受ける時)

承知いたしました。部長はただいま席を外しておりますので、戻られましたら、私から(A様の)ご伝言をおことづけいたします

(B(私)がA様の伝言を預かり、C(部長)に伝えます、という意味)

(例文2:依頼者が仲介者に頼む時)

恐れ入りますが、秘書の方(B)に、担当の山田(C)へ『10分遅れる』とおことづけいただけますでしょうか

(A(私)がB(秘書)に、C(山田)への伝言を頼んでいる)

社外(取引先へ)

(例文3:物品を託す時)

明日の大阪支社への出張者(B)に、〇〇様(C)宛ての重要書類(D)をことづけることにした。

(A=私、B=出張者、C=〇〇様、D=重要書類)

(例文4:伝言を預かる時)

A社(A)の田中様より、部長(C)宛てにご伝言をおことづけ承っております。

(B=私、A=A社田中様、C=部長)

場面別:報告・連絡の例文(第二義)

ここが最重要ポイントかもしれません!

ビジネスシーンでは、「ことづける」は伝統的な「仲介」の意味から進化して、「仲介者を介さない、AさんからCさんへの、改まった・公式な【連絡・報告】」という意味(第二義)でも頻繁に使われます。

ビジネス特有の「第二の意味」

この使い方の場合、「おことづけ」は「ご連絡」「ご報告」「お伝えすること」の、より丁寧で、少しかしこまった(格調高い)同義語として機能します。

「連絡します」よりも「おことづけします」と書くことで、重要度や公式性が高いことを示唆するニュアンスが出ますね。

特にメールや文書など、形に残るコミュニケーションで使われることが多い印象です。

(例文1)進捗報告

本件の進捗につきましては、明日改めておことづけいたします

(=明日、私(A)があなた(C)に、直接、丁重にご報告いたします。)

(例文2)全体通知・公式発表

人事異動の詳細は、決定次第、全部署におことづけします

(=人事部(A)から全部署(C)へ、公式に通知します。)

(例文3)相手への依頼

先日の会議の議事録を、関係者各位におことづけ願います

(=議事録を、関係者各位(C)へ公式に連絡・配布してください。)

※「おことづけください」も文法的にはOKですが、少し命令的に聞こえるかも…。

「おことづけ願います」「おことづけいただけますでしょうか」の方がより丁寧で安心かなと思います。

「ことづける」の類語と言い換え表現

「ことづける」が便利な言葉なのは分かったけど、いつもこればかり使うのも…と思いますよね。文脈に合わせて言い換えられると、さらにスムーズです。

これも、「第一義(仲介)」と「第二義(直接連絡)」のどちらで使っているかで、適切な類語が変わってきます。

第一義(仲介あり)の言い換え

  • 「伝言(を)頼む」 / 「伝言する」
    • 一番分かりやすいですが、「言葉」限定ですね。品物には使えません。
  • 「託す(たくす)」
    • 「ことづける」より「信頼して任せる」という重みや責任感が強調されます。「重要書類を託す」「後を託す」など。
  • 「取り次いでもらう」
    • 「AさんからCさんへ」という仲介のニュアンスが強い表現です。

第二義(仲介なし・ビジネス)の言い換え

こちらはビジネスの基本動詞ですね。ニュアンスの違いを意識すると便利です。

  • 「お伝えする」
    • 一番汎用性が高く、ニュートラルで安全な表現です。迷ったらこれかも。
  • 「ご報告する」
    • 進捗や結果など、特定の情報を下から上へ、または公式に伝える場合にぴったりです。
  • 「ご連絡する」
    • 一般的な情報伝達、コンタクトを取る行為全般に使えますね。
  • 「ご通知する」 / 「お知らせする」
    • 決定事項などを一方的に、公式に知らせる場合に使われます。

「ことづける」が不向きな場面

「ことづける」は、やや古風で改まった印象を与える、少し「重み」のある言葉です。そのため、以下の状況での使用は不適切、あるいは奇妙に聞こえる可能性があります。

1. 緊急・重大な情報の伝達

「おことづけ」は、ある程度の「間(ま)」や「形式」を含みます。スピードが命の場面には不向きです。

  • (NG例)「火事です!至急おことづけいたします!」
  • (OK例)「火事です!至急ご連絡します!」「緊急報告!」

2. 非常にカジュアルな日常の連絡

言葉の持つ「重さ」が、内容と釣り合いません。

  • (NG例)「(家族に)『今から帰る』と母にことづけてくれ。」
  • (OK例)「『今から帰る』と母に伝えてくれ。」

「ことづける」は、「速報性」や「気軽さ」が求められる現代のコミュニケーション(例:ビジネスチャット)とは、本質的に相性が良くない側面も持っている、と覚えておくといいかもしれませんね。

「ことづける」例文の総まとめ

「ことづける」は、「仲介者に託す」という基本の意味(第一義)と、ビジネスでの「丁寧な直接連絡・報告」という第二の意味を持つ、奥深い言葉でした。

最後に、この記事でご紹介した「ことづける」例文の重要ポイントをおさらいします。

「ことづける」使いこなしのコツ

  • 「いいつけ(命令・告げ口)」とは全く別物!と強く意識する。
  • 誤解を避けるため、ビジネス文書ではひらがなで「ことづける」と書くのがおすすめ。
  • ビジネスでは「仲介(第一義)」と「直接連絡(第二義)」の2つの意味があると知っておく。
  • 敬語は「おことづけいたします(謙譲語)」「おことづけくださる(尊敬語)」が基本。
  • 「ご連絡」よりも、少し改まった「公式な連絡」というニュアンスで使うと効果的。

意味や使い分けが分かれば、もう「ことづける」を使うのは怖くないですね!

日常やビジネスシーンで、ぜひ上手に使いこなしてみてください。

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この記事を書いてる人

料理も言葉選びも苦手で、不器用な私。
だからこそ、試行錯誤の末にたどり着いた「リアルな宅配活用術」や「そのまま使える例文集」を発信している、ワンオペワーママのブログです。(6歳&4歳育児中)

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