仕事やプライベートでミスをしてしまい、相手に謝罪メールを送った後、寛大な返信が届くと、まずは安堵します。
しかし、その安堵も束の間、

このメールに、さらに返信は必要なのだろうか?
という新たな疑問が生まれることは少なくありません。
特にビジネスメールにおいては、謝罪に対する返信の返信は必要?という問題は、業務効率を考えると悩ましい点です。
また、メールの締めは?という作法も気になります。
これは、社内や社外、大切なお客様への対応だけでなく、プライベートな関係、例えば大学の教授や子どもの学校の保護者、あるいは親しいママ友とのやり取りにおいても同様の迷いが生じることがあります。
この記事では、さまざまな状況における謝罪に対する返信の返信 例文を豊富に紹介し、あなたの悩みの解決のお手伝いが出来れば幸いです。
- 謝罪メールへの返信に、さらに返信すべきかどうかが明確になる
- ビジネスシーンで使える社内・社外向けの丁寧な返信例文がわかる
- プライベートな関係性(教授、保護者、友人)に応じた例文がわかる
- 相手に失礼だと思われないための返信マナーと注意点が理解できる
謝罪に対する返信の返信の基本【例文あり】
- 謝罪に対する返信の返信は必要?
- ビジネスメールでの返信の注意点
- 相手に気を遣わせないメールの締めは?
謝罪に対する返信の返信は必要?


相手から謝罪メールに対する返信が来た場合、基本的には「返信する方が望ましい」と考えられます。その理由は、主に二つあります。
一つ目は、迷惑をかけたにもかかわらず、許しや理解を示してくれた相手への感謝の気持ちを伝えるためです。
返信をくれた相手の心遣いに対して、改めて感謝を示すことで、より丁寧で誠実な印象を与えられます。
二つ目の理由は、ビジネスマナーとして「メールのやり取りは、最初に送った側が終わらせるのが美しい」という考え方があるからです。
自分から謝罪メールを送った場合、相手からの返信に自分がさらに返信することで、一往復半のやり取りとなり、自分がやり取りの締めくくり役を担えます。
これにより、相手に「これでこの件は終わりです」という区切りを明確に伝え、余計な返信の手間をかけさせずに済みます。
ただし、これはあくまで原則です。
相手からの返信に「ご返信には及びません」や「返信は不要です」といった文言が明確に記載されている場合は、その指示に従い、返信を送らないのがマナーです。
その際は、相手の気遣いに感謝し、やり取りを終了させましょう。
ビジネスメールでの返信の注意点


謝罪メールへの返信に返信する際は、良かれと思って行ったことが、かえって相手の負担になったり、失礼にあたったりしないよう、いくつかの点に注意を払う必要があります。
ここでは、特に注意すべき4つのポイントをまとめます。
注意点 | 理由と解説 |
---|---|
件名の「Re:」は消さない | 件名に「Re:」が付いていることで、受信者はどのメールへの返信なのかを一目で判断できます。これを消してしまうと、相手が何の件に関するメールかを確認する手間が増えてしまいます。謝罪の場面であっても、「Re:」は残したまま返信する方が親切です。 |
本文は簡潔に書く | 相手はあなたのミスへの対応や、あなたからの謝罪メールへの返信に、すでに時間を使ってくれています。そのため、返信の返信は、感謝と再度の謝罪の要点を簡潔にまとめることが大切です。長々とした文章は、相手の貴重な時間をさらに奪うことになりかねません。 |
「返信不要」の旨を添える | これ以上相手に返信の手間をかけさせないよう、メールの末尾には「このメールへの返信は不要です」という意思表示を必ず入れましょう。これにより、相手は安心してメールを閉じることができ、やり取りのループを防げます。 |
別の用件は含めない | 謝罪の返信メールの中で、まったく別の用件を伝えるのは避けましょう。一つのメールには一つの用件が原則です。もし他に伝えたいことがある場合は、件名を改めて、別のメールとして送り直すのがビジネスマナーです。 |
これらの点に配慮することで、相手への負担を最小限に抑えつつ、誠実な姿勢を示すことが可能です。
相手に気を遣わせないメールの締めは?


謝罪の返信メールを終える際に、やり取りの終了を相手に伝えるための「返信不要」のメッセージは非常に大切です。
しかし、伝え方によっては少し冷たい、あるいは高圧的な印象を与えてしまう可能性があります。
最も避けたいのは、「これ以上の返信は不要です」といった直接的で強い表現です。これでは、相手が何か伝えたいことがあっても、それを遮るようなニュアンスになりかねません。
相手に心理的な負担をかけず、柔らかくやり取りを終えるためには、以下のようなクッション言葉を用いた表現が適しています。
丁寧で標準的な表現
「お忙しいことと存じますので、本メールへのご返信には及びません。」
「どうぞ、このメールへのお返事はお気遣いなさいませんよう、お願い申し上げます。」
これらの表現は、相手の状況を気遣う言葉が前置きされているため、丁寧な印象を与えます。社外や目上の方に対して使用するのが適切でしょう。
少し柔らかな表現
「ご多忙と存じますので、ご返信にはお気遣いなく。」
「それでは、お手数かと存じますので、このまま失礼いたします。」
社内の同僚や、ある程度関係性のある相手に対しては、少し簡潔な表現でも問題ありません。大切なのは、「あなたの手間をこれ以上増やしたくない」という配慮の気持ちが伝わる言葉を選ぶことです。状況に応じて最適な表現を使い分けましょう。
【関係性別】謝罪に対する返信の返信 例文集
- 【社内向け】感謝と謝罪を伝える返信
- 【社外向け】誠意が伝わる丁寧な返信
- お客様へのお詫びと感謝を伝える返信
- 教授への返信で気を付けたいポイント
- 保護者の方へ送る丁寧な返信の書き方
- ママ友への返信で角が立たない伝え方
- 謝罪に対する返信の返信 活用術
【社内向け】感謝と謝罪を伝える返信


社内の同僚や上司に迷惑をかけた場合、相手はあなたの業務をフォローしてくれている可能性が高いです。
そのため、返信の返信では、許してくれたことへの感謝と、対応してくれたことへの感謝の両方を伝えることが鍵となります。
迅速かつ簡潔に、しかし誠意のこもったコミュニケーションを心がけることで、職場の人間関係を円滑に保つことにつながります。
例文
件名:Re: Re: 〇〇の件のお詫び
〇〇部 〇〇さん
お疲れ様です。 △△部の△△です。
お忙しい中、ご丁寧にご返信いただき、ありがとうございます。 〇〇さんから温かいお言葉をいただき、恐縮しております。
今回の件では、私の不注意でご迷惑をおかけし、重ねてお詫び申し上げます。 今後はこのようなことがないよう、ダブルチェックを徹底するなど、再発防止に努めます。
お忙しいかと存じますので、本メールへのご返信はご放念ください。
△△部 △△
解説
ポイントは、感謝の言葉を具体的に伝えることです。「温かいお言葉」「恐縮しております」といった表現で、相手の配慮に対する感謝を示します。
また、再度の謝罪に加え、「ダブルチェックを徹底する」のように具体的な再発防止策を簡潔に述べることで、反省の意と今後の改善意欲を伝えられます。
【社外向け】誠意が伝わる丁寧な返信


社外の取引先やクライアントに対する返信は、今後の関係性を左右する重要なコミュニケーションです。
信頼を損なわないよう、最大限の丁寧さと誠実さをもって対応する必要があります。
形式的な言葉だけでなく、自分の言葉で謝罪と感謝の気持ちを伝えることが、信頼回復への第一歩となります。
例文
件名:Re: Re: 〇〇の納品遅れについてのお詫び
株式会社〇〇 営業部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。 株式会社△△の△△でございます。
ご多忙の折、ご丁寧なメールを賜り、心より感謝申し上げます。 また、この度の私どもの不手際にもかかわらず、寛大なお言葉をいただき、大変恐縮しております。
今回の件で〇〇様にご迷惑をおかけしましたことを、重ねて深くお詫び申し上げます。 今後、二度とこのような事態を招かぬよう、管理体制を抜本的に見直し、誠心誠意努めてまいる所存です。
時節柄、〇〇様におかれましてもどうぞご多忙のことと存じます。 つきましては、本メールへのご返信にはお気遣いなさいませんよう、お願い申し上げます。
今後とも変わらぬお付き合いのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社△△ 営業部 △△
解説
社外向けの場合、「心より感謝申し上げます」「大変恐縮しております」など、より丁寧でかしこまった表現を選びます。
再発防止策も、「管理体制を抜本的に見直す」のように、会社としての取り組みであることを示すと、相手に安心感を与えやすくなります。最後の締めも、定型句で丁寧に締めくくることが大切です。
お客様へのお詫びと感謝を伝える返信


お客様からのクレームやご指摘に対し謝罪し、ご理解いただけた際の返信は、今後のロイヤリティを左右する極めて重要なタッチポイントです。
お客様が時間と労力を使って連絡をくれたこと、そして許してくれたことへの深い感謝を示す必要があります。
企業の顔としての自覚を持ち、一人のお客様に誠心誠意向き合う姿勢が求められます。
例文
件名:Re: Re: お問い合わせいただいた〇〇の件につきまして
〇〇様
平素は弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。 株式会社△△、カスタマーサポートの△△と申します。
この度は、お忙しい中、ご丁寧にご返信をいただき、心より御礼申し上げます。 私どもの至らなさによりご不快な思いをおかけしたにもかかわらず、〇〇様よりご理解いただけたこと、大変ありがたく存じます。
頂戴いたしましたご意見を真摯に受け止め、サービス品質の向上に全力で取り組んで参ります。 今回の件、重ねてお詫び申し上げます。
季節の変わり目でございますので、〇〇様におかれましてもどうぞご自愛ください。 なお、本メールへのご返信には及びませんので、ご放念いただけますと幸いです。
今後とも弊社サービスをご愛顧いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
株式会社△△ カスタマーサポート担当 △△
解説
お客様への返信では、個人としてではなく、企業を代表しているという意識が不可欠です。
「平素は~」という感謝の言葉から始め、お客様のお名前をきちんと記載します。
謝罪と感謝を伝えた後、「頂戴いたしましたご意見を真摯に受け止め~」と、お客様の声がサービス改善に繋がることを示すと、お客様の不満が貢献に変わったと感じていただきやすくなります。
教授への返信で気を付けたいポイント


学生がレポートの提出遅れや欠席などで教授に謝罪し、許しを得た場合の返信です。社会人としてのビジネスマナーとは少し異なりますが、敬意と誠実さを示すという点では共通しています。
丁寧語や尊敬語を正しく使い、学業に対する真摯な姿勢を示すことが重要です。
例文
件名:Re: Re:〇月〇日の〇〇学のレポート提出について
〇〇先生
お忙しいところご返信いただき、誠にありがとうございます。 〇〇大学〇〇学部〇年の△△です。
この度は、先生の寛大なご配慮に心より感謝申し上げます。 自分の不注意でご迷惑をおかけしましたことを、重ねてお詫びいたします。
今後は、体調管理、スケジュール管理を徹底し、二度とこのようなことがないようにいたします。 引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
ご多忙と存じますので、先生におかれましては、本メールへのご返信はご放念ください。
〇〇大学〇〇学部〇年 △△ △△
解説
教授へのメールでは、まず自分の所属と氏名を明確に名乗ります。
「ご指導ご鞭撻のほど」といった、指導を仰ぐ立場としての言葉を選ぶのが適切です。
また、ミスの原因が自分にあることを認め、具体的な改善策(体調管理、スケジュール管理など)を示すことで、反省の意がより明確に伝わります。
フランクになりすぎず、かといって過剰に堅苦しくなりすぎない、節度ある言葉遣いが求められます。
保護者の方へ送る丁寧な返信の書き方


保護者の方へ謝罪に対する返信をするケースは、ご自身の立場によって内容が異なります。
ここでは「教師や先生の立場から」と「保護者自身の立場から」という2つのケースに分けて、それぞれの書き方と例文を解説します。
ケース1:教師や先生の立場から保護者へ返信する場合
まず、教師や習い事の先生などが、子供のことで保護者に謝罪し、ご理解いただけた際の返信です。この場合、保護者の不安を和らげ、組織としての信頼を回復させることが最も重要になります。
今後の具体的な対応策を明確に示し、お子様への配慮を伝えることで、安心感を持っていただくことを目指します。
【例文】
件名:Re: Re: 〇〇(お子様のお名前)くんの件につきまして
〇〇(保護者様のお名前)様
お忙しい中、ご丁寧にご返信をいただき、誠にありがとうございます。 △△小学校、〇年〇組担任の△△です。
この度の件では、私どもの指導力不足により、〇〇くん並びに保護者の皆様にご心配をおかけしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。 〇〇様からの温かいお言葉に、心より感謝いたします。
頂戴したお言葉を胸に、今後はお子様一人ひとりへの目配りを一層強化し、安全で楽しい学校生活が送れるよう、職員一同、全力で努めて参ります。
どうぞ、本メールへのご返信につきましては、お気遣いなさいませんようお願い申し上げます。 今後とも、本校の教育活動にご理解ご協力いただけますと幸いです。
△△小学校 〇年〇組担任 △△
【解説】
保護者の方へのメールでは、まず「指導力不足」など、組織側の責任として謝罪の意を示すことが基本です。
そして、保護者の不安に寄り添い、「お子様一人ひとりへの目配りを強化する」「職員一同で努める」など、今後の具体的な改善策と組織的な対応を伝えることで、安心感を与えられます。
個人の問題とせず、学校や組織全体で取り組む姿勢を見せることが信頼回復の鍵です。
ケース2:保護者の立場から相手の保護者へ返信する場合
次に、ご自身の子どもがトラブルの原因となり、相手の親御さんに謝罪をして許していただいた際の返信です。
この場合は、相手の寛大なご対応への深い感謝を伝え、今後の良好な関係を願う気持ちを示すことが何よりも大切です。
子ども同士の関係はこれからも続く可能性があるため、親同士の関係にわだかまりを残さないよう、誠実な対応を心がけましょう。
【例文】
件名:Re: Re: 先日の件につきまして
〇〇(相手のお子様のお名前)くん・さん ママ様 (※相手の方との関係性に合わせて「〇〇様」など調整してください)
先日は、お忙しい中ご丁寧にご返信をいただき、誠にありがとうございました。 〇〇様からの温かいお言葉に、安堵するとともに、心より感謝しております。
この度は、うちの子が〇〇くんにご迷惑をおかけしてしまい、重ねて深くお詫び申し上げます。 今回のことは本人にもよく言い聞かせ、今後このようなことがないよう、親子共々じゅうぶん注意してまいります。
本来であれば、直接お会いしてお伝えすべきところ、メールでのご連絡にて失礼いたしました。
お忙しいことと存じますので、このメールへのご返信にはお気遣いなさいませんよう、お願い申し上げます。 今後とも、親子ともども変わらぬお付き合いをいただけますと幸いです。
△△(自分の名前)
【解説】
親同士のやり取りでは、まず相手の寛大な対応への感謝を具体的に伝えます。
「安堵いたしました」といった素直な気持ちを添えることで、誠実さが伝わりやすくなります。
その上で、再度謝罪の言葉を述べ、「親子共々注意してまいります」と家庭での指導を約束することで、相手の親御さんを安心させることができます。
今後の良好な関係を願う一文を添えて、前向きな形で締めくくることが、子供たちの今後の関係にとっても重要です。
ママ友への返信で角が立たない伝え方


親しい間柄であるママ友とのやり取りでは、ビジネスメールのような堅苦しい表現はかえって不自然です。
しかし、親しいからこそ、謝罪や感謝はしっかりと伝え、今後の関係にわだかまりが残らないように配慮する必要があります。
丁寧さを保ちつつも、温かみのある言葉選びがポイントになります。
例文
件名:Re: Re: この間の件、ありがとう!
〇〇ちゃん(※相手の名前に合わせる)
昨日は、忙しいのに連絡くれて本当にありがとう! 〇〇ちゃんの優しい言葉に、すごく救われました。
今回は、私のうっかりで本当にごめんね。 これに懲りずに、また遊んでくれると嬉しいです。
忙しいと思うから、このメールへの返信は気にしないでね! また近いうちにランチでも行こうね。
△△より
解説
ポイントは、堅苦しくなりすぎないことです。「重ねてお詫び申し上げます」ではなく「本当にごめんね」、「ご返信には及びません」ではなく「返信は気にしないでね!」といった、柔らかい口語表現が適しています。
感謝の気持ち(「すごく救われました」)と、今後の関係を続けたいという前向きな気持ち(「また遊んでくれると嬉しいです」)を伝えることで、気まずさを解消しやすくなります。
謝罪に対する返信の返信 例文活用術


この記事で紹介した、謝罪に対する返信の返信 例文の活用ポイントや、基本的な考え方について、最後に重要な点をまとめます。
これらの要点を押さえることで、どんな相手にも誠実な気持ちが伝わるコミュニケーションが可能になります。
- 謝罪メールへの返信には原則として返信する
- 返信する目的は「感謝」と「再度の謝罪」を伝えるため
- メールのやり取りは最初に送った側が終わらせるのが丁寧
- 相手の返信に「返信不要」とあれば返信しない
- 件名の「Re:」は消さずにそのまま返信する
- 本文は長文にせず簡潔にまとめる
- メールの最後には必ず「返信不要」の旨を丁寧に添える
- 社外向けや目上にはより丁寧でかしこまった言葉を選ぶ
- 社内向けは迅速さと具体的な再発防止策が鍵
- お客様には企業の顔として誠心誠意対応する
- 教授へは学生としての敬意と真摯な姿勢を示す
- 保護者へは不安を和らげる安心感の提供を最優先する
- 友人には堅苦しくせず温かみのある言葉を選ぶ
- 具体的な感謝の言葉を入れると誠意が伝わりやすい
- テンプレートを参考にしつつ自分の言葉で気持ちを伝える